2012年09月28日

前向きにもがき苦しめ



ある知らせを聞いて、去年の暮れに読んだ1冊の本を読み返してみました。


「三塁手としてプロ入りしたが、1年後に入団してきた後輩が、ベテランからサードのレギュラーを奪い取ってしまった。このままサードにこだわっていても、出場機会を得るのは難しそうだと感じたのなら、ショートはどうか、セカンドはどうか、あるいは外野にまわればちゃんすがあるのではないかと考えてみる。」


落合愽満氏の著書『采配』の一文です。


この項目では、3年目にセカンドのレギュラーがなかなか決まらず、そこで社会人時代にほとんど経験のなかったセカンドの守備練習に取り組み、3年目で二塁手としてレギュラーになり、首位打者のタイトルを獲り、道を開いたという内容が記されていました。


大和なんかはいい例です。大和は守備力の高いショートとして入団しました。しかし、ショートには鳥谷という絶対的な選手がいます。


走塁のスペシャリストとして出場機会をもらい、セカンドでも出場し、外野にも挑戦しました。今となっては2番センターとしてバリバリ試合に出場しています。


内野にこだわっていれば、今ほど出場機会はなかったんじゃないでしょうか。


他のポジションに挑戦と言えば、今年2月の宜野座キャンプです。守備練習でファーストや外野を守る城島の姿がそこにありました。左膝の状態が思わしくなく、捕手として出場するのが困難だったためです。


その姿から、自分の居場所を探しているのだと、その時は思っていました。しかし、それは違っていたようです。


「キャッチャーとしてできなくなったから」


それが城島が引退を決断した理由でした。今年は4年契約の3年目。契約を1年残しての引退となりました。


「もう一度キャッチャーがやりたい」


キャンプでファーストや外野の練習をしていた頃はまだキャッチャーとして野球ができると思っていたことでしょう。


しかし、膝、肘の故障。座骨神経痛発症に椎間板ヘルニアの手術。城島の体はボロボロでした。


乗り越えられなかった試練だったけど城島もまた前向きにもがき苦しんでいたんだと思います。


本来、見せるべき姿ではなかったのかもしれませんが、宜野座キャンプで城島が見せていた姿は、今の若い選手にプロで生きるためのヒントになるんじゃないかと思います。


アニキの言葉にあったように、2、3年後にまた現役復帰しそうに思えてしまいますが、とりあえずお疲れさまと言っておきます。


アニキといい、ジョーといい、涙の引退会見で笑いをとることを忘れないのはさすがです。


がんばろう日本!


“new challenges and my new style” NORI




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