2011年03月22日

一生懸命

「野球をやっていいのかどうかわからない」


それが東北・上村健人主将が最初に口にした言葉だった。


「嬉しい反面、甲子園に行っていいのかという気持ちもある」とも言った。


震災の影響で組み合わせ抽選会にも参加できなかった。他校より遅れて甲子園に向けて出発したのは19日午後のこと。地元の人たちの激励もあり、悩める選手たちを温かく送り出してくれたことが何よりだった。


翌日の甲子園練習。憧れのグランドに足を踏み入れた。憧れのグランドの土を踏んだ。


「小さい頃から夢見たところで嬉しい気持ちはある。プレーする環境を与えられたことに幸せを感じている」


心境も若干、変化したように思う。それも何よりだ。


震災の影響で練習も満足に出来ず、練習試合も1試合やったのみ。調整不足は否めないが、甲子園は時として、目には見えない力が働く時がある。震災後、給水ボランティアとして活動していた東北野球部の姿は、野球の神様も見てくれていたに違いない。


一方の初戦の対戦相手の大垣日大高は、やりづらさがあると言われているけど、雑念を振り払い、全力でぶつかってほしい。それが、東北への最大限の誠意なのだから。


大垣日大は去年のセンバツでベスト4。その当時、原動力となった注目の技巧派左腕、葛西投手も残り、実力のあるチーム。東北、大垣日大ともに昨秋の地区大会優勝チームでもあり、面白い試合になると思う。


ここまで、東北高校のことを長く書いたが、何も東北高校を特別扱いするつもりはない。被害があった地域、なかった地域の違いはあれど、日本全体が悲しみに包まれたのは紛れもない事実である。だから出場32校、どのチームも頑張ってほしいと思う。


各々、いろんな思いを抱いていることだろう。むずかしいことかもしれないが、試合中だけは「被災地のために、被災者のために」とか余計なことは考えなくていい。試合に集中して、全力でプレーすればいい。それだけで十分伝わる。それが出来ないと、勇気とか感動とか…そういうものは何も生まれないのだから。


明日から開幕するセンバツ。正直、どんな感じになるのか想像がつかない。だけど、開催する意味を考え、一生懸命やるしかない。大人である指導者の方たちにも選手に的確なアドバイスを与えてほしいとも思う。


がんばろう日本! のり



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この記事へのコメント
高校野球、ええなあ〜。

選抜は、ちょっと寒い日もあるけど、熱い試合してほしいな。
Posted by やすなが at 2011年03月22日 21:47
>やすながさん

ひとりだけ猛暑(笑)
なんでもないです。


センバツは寒い日もあるけど、夏は夏で暑い中やらないかんきん、それはそれで大変やでぇ。
Posted by のり at 2011年03月22日 22:17
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    コメント(2)