2012年08月20日
初めて弱い部分を見たような気がした

今大会、最も強烈なインパクトを残した投手でした。注目の打者である光星学院の田村選手、北條選手からも三振を奪いました。
試合に出場した全選手から三振を奪い、今日の奪三振は15を数えました。これで今大会、桐光学園・松井裕樹投手の通算奪三振数は68になり、83個の坂東英二さん、78個の現日本ハム・斎藤佑樹投手に次ぐ歴代3位に名乗りをあげました。
奪三振率に換算すると、坂東さんが12.05、斎藤投手が10.17に対し、松井投手はそれらをはるかに上回る17.00です。驚異的な数字で、その凄さを物語っています。
しかし、松井投手の2012年夏はここまでです。
0−0の状態が続き、8回表に田村選手のタイムリーヒットと北條選手の2点タイムリー二塁打で3点を奪われ、チームは敗れました。
投手には打たれようが抑えようが表情ひとつ変えない、いわゆるポーカーフェイスと感情を表に出すタイプがいます。
松井投手の場合は後者です。「打てるもんなら打ってみろ」と言わんばかりに、まるで相手を見下してる表情だったり、これまで自分の気持ちを表情で表していました。
そんな松井投手に今までに見たことのないような表情をした場面がありました。
失点した8回表、一死1、2塁、光星学院2番の関口選手はショートゴロ。併殺コースでした。
しかし、ショートの二塁送球が逸れ、アウトは二塁封殺のみで併殺が取れずにピンチ脱出とはなりませんでした。(弱い打球で、正確に送球していても併殺が取れたかどうか微妙な打球ではありました)
このとき、たまたま松井投手の表情が映し出されました。ショートを守っているのが後輩の1年生、武選手というのもあったのか、それはどこか「何やってんだ!しっかりしてくれよ!」とでも言いたそうな表情をしていました。
その直後に田村選手、北條選手に連打を浴びました。この2人は、どんな投手であっても怖い打者です。
あのショートゴロで見せた表情は、どこか気持ちに余裕がなかったようにも思えました。
試合終了後は3年生に対して申し訳ない気持ちもあったのでしょう。人目を憚らず咽び泣く松井投手の姿がありました。
これを見たときに「この子は精神面が弱いのかな?」と感じたのも事実です。このあたりが今後の松井投手の課題にもなります。
裏を返せば、まだまだ進化する要素はあるということです。精神面を鍛えれば、もっともっと、とてつもない投手になりそうな予感さえします。
最後、勝って終われるのは全国4000校近くある中の、たった1校だけです。負けて終わるチームがほとんどです。ましてや連続出場すら難しい神奈川の高校です。
来年、例え負けて終わったとしても、ダルビッシュ投手のように涙ひとつ見せずに晴れやかな表情をしてほしいです。
もうあんなに泣く松井投手は見たくありません。いや、泣くんなら斎藤佑樹投手のように勝って泣けばいいんです。
第12日試合結果
光星学院3−0桐光学園
大阪桐蔭8−1天理
準決勝の組み合わせも決まりました。
倉敷商・明徳義塾の勝者−大阪桐蔭
作新学院・東海大甲府の勝者−光星学院
今日の試合で勝ち、センバツ決勝を戦った大阪桐蔭と光星学院の両校が準決勝で顔を合わせることはなくなりました。
予感めいたもの?
ええ、それはもちろんあります。まだどうなるかわからないですけどね。
がんばろう日本!
“new challenges and my new style” NORI