2012年09月12日
アニキ
今日も負けました。実況のアナウンサーは「今日は特別な日」という言葉をしきりに使っていましたが、ぼくはその言葉に違和感があります。
1人の偉大なプロ野球選手が引退発表、引退会見を行いましたが、ぼくの中では144試合の内の1試合にすぎません。特別の日だと言うのなら、これからの残りの試合すべてが特別です。
帰塁の際に足がブチッという音がしようが
頭部に死球を受けて脳みそが揺れようが
半月板を損傷しようが
膝の軟骨がボロボロに砕けようが
骨折しようが
それでも試合に出続けました。
骨折しながらも右手一本で打ったヒットはぼくの中で一番印象に残っているヒットです。
アニキが阪神に来てからは、ぼくも大きな影響を受けた1人です。
腰が痛かろうが
頭痛がしようが
熱が出てようが
風邪をひいていようが
インフルエンザだろうが
休まず仕事に行きました。
はい、さすがにインフルエンザの時は強制送還させられました。無念の連続フルイニング出場ストップの瞬間でした。
アニキのことは一言では語れません。
晩年のアニキは自分の思うような仕事ができず、いっぱいツラい思いもしたでしょう。
連続フルイニング出場の記録が止まったときは、前日の試合にまともな送球が出来ないアニキの姿を見て覚悟はしてました。
今年は4番に復帰することもありました。でも、なかなか結果の出ない日々。周りからもたくさん批判を浴びました。
結果を残せないと叩かれることは当然で、ぼくはツラいとは思わなかったです。
9月に入りスタメンからも外れることが多くなりました。それも仕方ないと思いました。ただ、代打ですら登場しない試合が多くなったこと、それがぼくにとっては一番ツラかったです。
このときばかりはさすがに引退の二文字は頭をよぎりました。それでも、上本や大和といった若い選手がスタメンで出ているものの完全なレギュラーとも言い切れませんし、来年も戦力だと考えていましたし、まだ現役でいてくれると信じていました。
フルイニング出場の記録が途絶えた時ですら覚悟できていたのに、今回は心の準備が出来ていませんでした。
心にぽっかり穴が空いたような感覚はあります。寂しいことは寂しいんですけど、「辞めちゃうんだ」という実感がまだ沸いていないのも正直なところです。
来年の春季キャンプを迎える頃、そこにアニキの姿はありません。その時に一気に寂しさが込み上げてくるんでしょう。
残りの試合はしっかりとアニキの勇姿を目に焼き付けます。
アニキの存在があったからこそ、ぼくも頑張ってこれました。これからもアニキが教えてくれたことを胸に我が人生を歩んでいきます。
がんばろう日本!
“new challenges and my new style” NORI