2012年11月03日
勝利目前の悪夢

話は遡ること2004年のセンバツ。東北-済美の試合。あとアウト1つで東北の勝利という状況。
完投ペースできていた東北の真壁投手は9回裏に捕まりました。ランナー2人を置いて、済美の4番高橋選手の放った打球はレフトを守っていたダルビッシュ投手の頭の上を越えるサヨナラホームランでした。
済美は9回裏に4点差をひっくり返す劇的なサヨナラ勝ちでした。
秋季高校野球四国大会準決勝第2試合、鳴門-済美。済美の先発は注目の安楽智大投手でした。
初回、先頭打者の初球にいきなり死球。タイムリーヒットも打たれ、いきなり先制点を奪われる不安定な立ち上がりでした。
序盤は制球の定まっていなかった安楽投手は徐々に調子を取り戻しました。初回に1点取られたものの、その後は得点を与えません。
6回から8回二死までは8者連続三振を奪う圧巻の投球を見せました。
勝利は目前でした。ここまで奪った三振は15。多くの人は済美の勝利を信じていたに違いありません。
ところが9回表、いきなり連打を浴び、無死1、2塁となります。3点差あり、仮に塁上の2人のランナーが還ったとしても1点リードです。点は取られてもアウトカウントを増やしたい場面でした。
静止不十分のボークで無死2、3塁となり、外のスライダーを鳴門の日下選手に左中間に運ばれる2点タイムリー二塁打でたちまち1点差。この一打で流れは鳴門にいき、鳴門に勢いがつきました。
済美の守りは完全に浮き足立ちました。最後は守備の乱れが重なり、済美は3点差をひっくり返されるまさかのサヨナラ負けでした。安楽投手にとっては悪夢の9回裏になりました。
済美 002 000 011:4
鳴門 100 000 004:5
済美は逆転して、1点リードを守ったまま終盤に追加点を取り、理想的な試合運びでした。
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タグ :安楽智大